玄米を食べると貧血になる?鉄分・フィチン酸の影響や対策は?

玄米貧血MV

玄米を食べると貧血になると聞いて不安を感じている」「フィチン酸が鉄の吸収を妨げるらしいけど、玄米を続けて大丈夫なのか知りたい」このような悩みをお持ちではないでしょうか。

結論からいうと、玄米を食べただけで貧血になるとは一概にいえません。

玄米に含まれるフィチン酸は、植物性食品に含まれる非ヘム鉄の吸収に影響する成分です。一方、玄米ごはんには白米ごはんより多くの鉄が含まれています。

そのため、「玄米には鉄が含まれているか」と「その鉄がどの程度吸収されるか」は分けて考えることが大切です。この記事では、玄米の鉄分量やフィチン酸との関係、貧血が気になる人の食べ方を解説します。

玄米を食べると貧血になると言われる理由

玄米を食べると貧血になると言われる理由

玄米を食べると貧血になると言われる理由として、以下が挙げられます。

理由

  • フィチン酸が非ヘム鉄の吸収に影響する
  • 非ヘム鉄はヘム鉄より吸収阻害の影響を受けやすい
  • 玄米を食べただけで鉄不足になるわけではない

フィチン酸が非ヘム鉄の吸収に影響する

フィチン酸は、玄米のぬか層や胚芽などに含まれる成分です。同じ食事に含まれる鉄や亜鉛などと結合し、体内への吸収を抑える可能性があります。

ただし、玄米を食べることで、すでに体内に蓄えられている鉄が排出されるという意味ではありません。あくまで、食事に含まれる鉄が吸収される過程に影響する可能性があるということです。

実際の鉄吸収は、食事全体の鉄分量や、肉・魚、ビタミンCを含む食品との組み合わせによっても変わります。

非ヘム鉄はヘム鉄より吸収阻害の影響を受けやすい

食品に含まれる鉄は、主に「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」に分けられます。ヘム鉄は肉や魚などの動物性食品に、非ヘム鉄は玄米や野菜、大豆製品などの植物性食品に含まれます

編集部メモ
編集部メモ
玄米に含まれる鉄はすべて非ヘム鉄です。

非ヘム鉄は、ヘム鉄よりも食事の組み合わせによる影響を受けやすい鉄です。フィチン酸やタンニンなどは吸収を抑える方向に働き、ビタミンCや肉・魚などは吸収を助けます。

そのため、玄米だけで判断するのではなく、一緒に食べる食品を含めて考えることが大切です。

玄米を食べただけで鉄不足になるわけではない

フィチン酸が非ヘム鉄の吸収に影響することは知られていますが、玄米を食べただけで鉄不足になるとは限りません

鉄の吸収されやすさは、鉄の摂取量や食事の組み合わせによって変わります。肉や魚、野菜などを組み合わせた食事では、フィチン酸だけの影響から実際の鉄吸収を判断することはできません。

ただし、すでに鉄欠乏性貧血を指摘されている人や、月経による出血が多い人、妊娠中の人などは、自己判断で食事を大きく変更せず、医師や管理栄養士に相談してください。

玄米には鉄分がどれくらい含まれる?

玄米には鉄分がどれくらい含まれる?

「フィチン酸が鉄を吸収しにくくする」という情報だけを見ると玄米が不利に思えますが、そもそもの栄養素含有量を白米と比較すると、玄米の方が圧倒的に多くのミネラルを含んでいます。

玄米と白米の含有量の違いについて確認していきましょう。

>>玄米と白米の栄養の違いについて詳しく知りたい方は「玄米の栄養がすごい!期待できる効果や豊富な栄養素、白米との違いまでわかりやすく解説」の記事もあわせてご覧ください。

玄米ごはんと白米ごはんの鉄分を比較

炊飯後100g当たり亜鉛マグネシウム
玄米ごはん0.6mg0.8mg49mg
白米ごはん0.1mg0.6mg7mg

文部科学省の食品成分データベースによると、炊飯後100g当たりの鉄は、玄米ごはんが0.6mg白米ごはんが0.1mgです

炊飯後の状態で比べると、玄米ごはんには白米ごはんの約6倍の鉄が含まれています。ただし、含まれている鉄の量が、そのまますべて体内に吸収されるわけではありません。

玄米に含まれる鉄は非ヘム鉄であり、フィチン酸や一緒に食べる食品によって吸収されやすさが変わります。

玄米には鉄以外のミネラルも含まれる

玄米ごはんには、鉄だけでなく亜鉛やマグネシウムなどのミネラルも含まれています。

ただし、これらの栄養素が白米より多いことだけを理由に、「玄米を食べれば貧血を予防できる」とは断定できません

貧血には鉄の摂取量や吸収、出血などさまざまな要因が関係します。

浸水や発芽で玄米のフィチン酸は減らせる?

浸水や発芽で玄米のフィチン酸は減らせる?

フィチン酸を減らす玄米の食べ方として、以下が挙げられます。

食べ方

  • 浸水による変化は温度や時間で異なる
  • 発芽によってフィチン酸量が変化する可能性がある

浸水による変化は温度や時間で異なる

浸水によって玄米に含まれるフィチン酸量が変化することは報告されています。ただし、変化の程度は玄米の品種、水温、浸水時間などによって異なります。

そのため、「6時間浸水すれば20~30%減少する」など、家庭での浸水効果を一律には断定できません。

浸水には玄米に吸水させ、食べやすく炊き上げる目的もあります。浸水時間や炊飯方法は、使用する玄米の商品表示や炊飯器の説明書を確認してください。

発芽によってフィチン酸量が変化する可能性がある

玄米を発芽させる過程では、フィチン酸量が変化する可能性があります。ただし、変化の程度は発芽条件などによって異なります。

また、発芽玄米を選べば貧血にならないとはいえません。鉄の摂取量や食事全体の組み合わせ、出血の有無なども関係します。

発芽玄米の特徴や作り方については「発芽玄米とは?期待できる効果や栄養、作り方、注意点まで解説」もあわせてご覧ください。

貧血が気になる人におすすめの玄米の食べ方

貧血が気になる人におすすめの玄米の食べ方

玄米に含まれる非ヘム鉄の吸収されやすさは、一緒に食べる食品によって変わります。肉や魚、ビタミンCを含む野菜や果物を組み合わせ、玄米だけに偏らない献立を意識しましょう。

ここでは、日々の食事に取り入れやすい組み合わせを3つ紹介します。

玄米+あさりの味噌汁+野菜を組み合わせる

玄米に、あさりなどの動物性食品とビタミンCを含む野菜を組み合わせた献立です。

動物性食品に含まれるヘム鉄は、植物性食品に含まれる非ヘム鉄に比べて、ほかの食品による影響を受けにくい特徴があります。また、野菜に含まれるビタミンCには、非ヘム鉄の吸収を助ける働きがあります。

あさりの味噌汁に野菜を加えたり、副菜として野菜料理を添えたりすると、複数の食品を無理なく組み合わせられます。

玄米+焼き魚+小松菜を組み合わせる

玄米に焼き魚と小松菜などの野菜を組み合わせると、動物性食品と植物性食品を一緒に摂れます。

ただし、特定の献立を食べるだけで貧血を予防できるという意味ではありません。主食・主菜・副菜を組み合わせ、食事全体のバランスを整えることが大切です。

玄米+納豆+果物を組み合わせる

肉や魚を食べない献立では、納豆などの大豆製品と、ビタミンCを含む果物や野菜を組み合わせる方法があります。

納豆や玄米に含まれる鉄は非ヘム鉄です。ビタミンCを含む食品を一緒に取り入れることで、非ヘム鉄の吸収を助けられます。

納豆を玄米に合わせ、食後に果物を取り入れるなど、続けやすい方法で組み合わせてみましょう。

玄米と貧血に関するよくある質問

Q

発芽玄米にすれば貧血の心配はなくなりますか?

A
発芽によってフィチン酸量が変化する可能性はありますが、発芽玄米を選べば貧血にならないとはいえません。

鉄の摂取量や食事の組み合わせ、出血の有無なども関係します。すでに貧血を指摘されている場合は、医師や管理栄養士に相談してください。
Q

玄米と白米を混ぜて炊くとフィチン酸の影響は減りますか?

A
白米と混ぜて玄米の割合を下げれば、その分、1食当たりに摂取するフィチン酸の量も少なくなります。

ただし、白米と混ぜることで玄米自体のフィチン酸が分解されるわけではありません。玄米を食べ慣れていない人が、食べやすさを調整する方法の一つとして考えましょう。
Q

玄米を毎日食べ続けても貧血にならないですか?

A
玄米を毎日食べることだけで、貧血になるとは一概にいえません。肉・魚、野菜、大豆製品などを組み合わせ、玄米だけに偏らない食事を意識することが大切です。

すでに鉄欠乏性貧血を指摘されている人や、月経による出血が多い人、妊娠中の人などは、自己判断で食事を変更せず、医師や管理栄養士に相談してください。
Q

玄米は鉄の吸収を阻害しますか?

A
玄米に含まれるフィチン酸は、同じ食事に含まれる非ヘム鉄の吸収に影響する可能性があります。

ただし、玄米を食べれば必ず鉄不足になるわけではありません。鉄の摂取量や、肉・魚、ビタミンCを含む食品との組み合わせも関係します。